東京景色

どういうことだろう。

真夏が涼しい。
秋の気配がユルユルと。

朝九時から深夜まで室内にいるため、あんまり季節を感じることはないんだけどね。
一年待ち続けた海、7月だというのにまだ一回しかいけてないのが悲しいな。
去年は、いろいろごっつい、心が痛ましいような旅行だったけど、そこに至るまではなかなかアクティブでしたな。
今年は、疲れきっちゃって、計画立てるのが億劫で。
誘われたら、行くの方針でいきる夏にしました。
力を抜いて、万境に従い転がり流されて行く人生。
なので、どんどん誘ってください。
誘われたらとりあえずはしっぽを振ってついて行きます。
そして思い出をブログにしたためて、なんとなく何か残した気になるのも大事なことの一つだと思うの。

思い出はいつも、夏。
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汚染海岸


日本沈没。日本御破算。
失業者がさまよい、若者たちは結婚も出来ず、車も持てず、年金制度も崩壊確実、鉛色の未来が広がる空に、アングリーヤングマンになれないハングリーヤングマンであるところのロスジェネ世代は酸欠した金魚のようにパクパクとあえぐのみ。
高校の仲間と久しぶりに集まったら、30新卒完全無職、8年バイト、真綿で絞められるように負けていく会社員。

「ママ、あの人達、エクトプラズムが出てるよ」
「太郎、あれは硫化水素ガスよ」

そうした不安がちっぽけになるような大地震と、末代まで残る原発事故。
毎秒汚染され続ける水、土、大気と人の心。
どうにも、暗い書きだしばかりだ。
だってしょうがないじゃない。
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電波オデッセイ

大好きな漫画を紹介するよ。

「電波オデッセイ」

連載当時高校生でして、コミックビームに大変な影響を受けました。
ちょっと変わったマンガが沢山載っていて、新しい世界を見ることが出来ました。
毎号本当に楽しみに読んでいました。
桜玉吉、木崎ひろすけ、安井誠太郎…独特な漫画家の乗っている、奇妙な雑誌でしたね。
かつて誌面において奥村編集と金田編集長が全身タイツで『コンビになんかにゃ売ってない!』と歌っていたけれど、現在はコンビニにもコミックスが並ぶ位ヒットしている作品もあり、映画化されたり、出版不況の中、すごいなーっておもいます。
今は、奥村編集長ですが、創刊当時の金ちゃん編集長時代は、絵が不安定で、そしてどこか皆、儚げな作品が多かったように思います。

そのコミックビームで連載されていた電波オデッセイなんですが、思春期病の時代を送る少年少女がもじょもじょ悩む物語です。
青春小説です。
学業や友情や恋だとか、そういうまっとうなレベルで悩めないような人達の青春小説です。
作者特有のギャグを織り交ぜつつ、見え隠れする、重い悩み。
幼い時分に為す術無く受け続けた傷が、何年経っても癒えず、イマジナリーフレンドとなって今の自分を強烈に責め立てるのです。

両親に見捨てられ、引きこもり、諦め、死ばかりを願う日々の中学二年の少女「原」は、ある日もう一つの肯定的なイマジナリーフレンド「オデッセイ」に出会います。
「君はこの世界を巡るパッセンジャーなんだ」
「生きるのを諦めるのかい」
「君の旅はそれだけで満足なのかい」
「あちらに持って行けるお土産は、ここで経験した心だけだよ」

オデッセイと話した原は、人が変わったように活動的になり、学校へ通い、お土産作りに精を出す事になる。

と言ったところが始まりのお話です。
まー、そんなに語らないよ。もったいない。

この作品、ビームの体力もなかったこともあり、単行本化されてはいましたが、4巻なんか部数が少なくてプレミア付いちゃうくらいだったんですね。
知る人ぞ知る様なマンガとして埋もれていくのは本当に残念だった。
もっともっと、苦しんでいる子供達に読んでほしいと思っていた。
しかし、いい作品という物は、必ずよみがえるのです!
リクエストしていた復刊.comより全三巻として無事復刊しました。
めでたい。

巻末には登場人物が30歳になったときの物語がおまけでついていて、嬉しいです。
自分も30歳なので、ニヤニヤしますな。

復刊インタビュー
コミックナタリー – [Power Push] 永野のりこ