シルクロードの旅11_雨の蘭州

目が冷めました。レールを走る列車の音です。
雨が降っています。この旅で初めての雨です。

人々は顔を洗い、歯を磨き、荷物をまとめて今日の準備をします。

私は雨に濡れる蘭州市の町並みを見ながら、タバコを胸いっぱいに吸って吐き出します。朝起きて寝台列車でのタバコがうまい。
うまい!

書き忘れましたが、昨夜の共産党職員の方は2人組の出張で蘭州に御用だといっていました。 駅から降りると、彼らの知り合いらしい運転手とおちあいました。

そして、蘭州ラーメンの店に向かってくれたのですが、駅からかなり離れています。30分ほど走らせたのではないでしょうか。
車が停車した先には、大きなレストランがあります。一見してそれとはわかりませんが、ここが蘭州ラーメンのお店なのです。

自分はいつもの緑色の「清真」と書かれている兰州拉面しか知りませんので、彼らが私のために特別なお見せで楽しんでもらいたいと思って、わざわざ時間をかけて連れてきてくれたのでした。
みんなで円卓を囲んで、汗をカキカキ、ずばずは食べます。これは確かに違います。いつも食べている雑っぽさは少ない、特別なものです。

麺にたっぷりノーブランドの油を練り込んだジャンクで粗悪で体に悪影響を与えるものではなく、「清真」と言った印象のスープを絡ませ、繊細にほどかれている麺が我々の喉を通っていきます。

帰りの車中で、「お前の中国語は下手くそだから、困ったことがあったらいつでも連絡してくれ!」と言ってくれました。
彼らとは駅にほど近いホテルで別れました。
やはり彼らは自分のために遠くの拉麺屋さんまで行ってくれたのです。 いい人です。

兰州では少し高めのホテルを取りました。
それが幸いしたのか、帰って旅の面白みをなくしてしまったのかわかりませんが、この翌日も雨だと言うこともあって、ほぼホテルの中で暮らしていました。
そのため写真の数も少ないです。
ウェルカムドリンクを携帯コップに並々ついでは部屋に戻って半日ドラマを見ながら、タバコをプカプカするのでした。
黄河くらいタクシー使って見に行けばいいと今になって想うのだけど。

ご飯は基本、兰州拉面。
そこで、わたし気づきました。
日本の東京にある马子禄牛肉面、もちろん食べたことあります。
「なんか違う…。中国で食べたものはもっと体に邪悪で美味しかった気がする。」と思っていたのですが、勘違いです。
一緒。
一緒の味。
思い出補正でなにか特別な味がしただけでした。
しかし兰州で兰州拉面を食べるという目標はかなったのであります。満足です。

兰州拉面に飽きて、旅の序盤に乌鲁木齐で食べた椒麻鸡をまた食べたくなったので百度地图で探すも、かなり遠くにあって、結局行かず。
この旅行をした価値の一つとして椒麻鸡を知れたということが挙げられます。
日本では全然、どこにも作られていないのです。
過去記事で、中国人向けに個人で出していたという情報があるくらいで、一般の料理店で出されてはいないようだ。
四川フェスの実行委員長(?)の方にもFBで直接尋ねてみたが、出しているお店は知りませんが、お願いすれば作ってもられるかもしれません、とのことでした。
これは西藏の料理人が日本にくるハードルが高く、料理が広まる土台がないからだ、と中国人の友達から聞きました。

最終日の夜、豆ができるほど歩きすぎた足を労ろうと、足つぼマッサージに行った際、マッサージ師に「中国で初めて椒麻鸡を食べたんだけど、めっちゃ美味しいな!でもこのへんで食べられないのな」と言ったら、「宅配してもらえばいいじゃん!手伝ってやるよ」と言われて、中国ウーバーイーツで届けてもらおうと試みたが、「残念、もう閉店しちゃったみたいだ」と言われ、かなり心残りがあります。
レシピはネット上にあるので今度自分で作って見るのも手ですね。

帰ったら令和が始まっていた。未だにこの年号がしっくりこないです。

成田から高速バスで新宿。始発まで漫画喫茶。

これで2019年のゴールデンウィークに行った、乌鲁木齐-吐鲁番-敦煌-嘉峪关-兰州の旅行記は終わりです。シルクロードの旅というのは、記事を全部書き終えてからつけた。意識はしていなかったけど、この道筋は本当に重層的な歴史を感じる。

現在中国発症の新型肺炎コロナウィルスで世界中が大騒ぎしています。2020/02/03現在、死者362人。 内外の経済も、国同士の関係性も、大陸のコントロールも、徐々に崩れてきています。 今年の中国旅行チベットに行ってしまおうかと思ったのですが、微妙なところですね。
どうか世界が平和になりますように。

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