2年間の上海での暮らしを終えた

上海から帰ってきて、もう二年前になる。

更新がスローモーなのは前からだけれど、初めての海外で定住した上海での生活は刺激に溢れ、書き記したいことがたくさんあったからこんなことになってしまったのだ。でもいい加減やめよう。時差がどんどん大きくなる。

カヌーイストの野田知佑さんみたいに世界を漕ぎおろしたいと思っていた少年は、生来のだらしなさと無気力さとあきらめと面倒臭さがついて回り、どこへも行かない人間になっていたのだけれど、いろいろと歳を重ね、私生活でもいろいろあった為、自暴自棄をこじらせ、なんも考えないようにと注力し始めたのが出発時の二十代最後の歳だったと思う。

2年間住んだ上海の部屋を出る日、お世話になった隣のおばさんはエレベーターのない6階からわざわざ下まで見送りについてきてくれた。階段を降りながら、你是好人 我很开心在中国的日子 とか、大して勉強しなかったために出来ない中国語で感謝の気持ちを伝えたのだけれど、听不懂と笑われた。

中国で食べたものの中で一番美味しいものは二品、おかゆとナマズでした。残業の日々を支え血肉を作り上げたのは兰州拉面。社交場の茶餐厅名物、福建炒饭もよかった。河北での长城横目に乗馬、あれ以上の体験はこの先そうそうないだろう。人懐っこい中国人達。同僚と酒のんでサバゲーして極楽湯のコースも楽しかった。帰国後今更高まった中国語熱(最近はまた低下ぎみだけど)は交友関係を広げてくれている。
行ってよかった。
もしかすると、何かのきっかけでまた中国に行く ことがあるかもしれない。次はもう少し人々と話せればいいなと思う。

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二年前より更に速度を上げ、記憶は毎刻すっ飛んでいく。この忘れる力というやつは、筋トレのように年々逞しくなっていくため、どさくさに紛れて大切なこともどんどん忘れていく。
だからよそ向けに書かれた文章で、なるべくなら書き続けていきたい。

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