あった。
やってた。
今、まさに、準備していた。
深夜ゼロ時めがけて。
すごい、すごいぞ!
日本の花火のように、緩急つけて打ち上げるのではなく、ただやたらに火をつけ、ただやたらに騒がしく。
突如交戦中のフィールドに投げ込まれたような非現実感だ。
笑ってしまう。この火薬の量、人も死ぬ。
大変なお祭り騒ぎなのだけれど、ボマー達は「いえーい!どんどん打ち上げろーい!」っていう熱狂ではなく、ただ黙々と自分の仕事をこなす感じで、音に釣られて酒瓶片手に若者たちが喝采を送るわけでもなく、日本のハロウィンみたいな乱痴気馬鹿騒ぎは無い。これは、じつに、歴史ある伝統行事なのだ。
そして警察が来ても、なおも打ち上げ続けるボマー達に、上海っ子魂を見た。
更に煙くなった上海の街を、先程まで行われていた花火の轟音を耳に残しつつ帰りました。