ブラックサンシャイン!否!ブラック社員さん

ショービジネスの世界は厳しい。ヤクザな世界。

研修期間を設けられた俺ら3人。俺らといっても他二人は、まだ二十歳を過ぎた新卒の女の子。その研修期間三ヶ月を待たずに、自分以外全員やめていった。
彼女たちは、社長に死ね、詐欺師と罵られ、もう夜が明けるだろうと思われる時間まで飲みに付き添わされ、カプセルホテルに泊り、睡眠時間2〜3時間で、青白い顔色で「殺されるわけじゃない!」と自分に言い聞かせ、決死の覚悟で出社していた。「社会の荒波にもまれる」というレベルではなく、悲痛な姿だった。彼女たちは残念ながら連絡なしに逃亡するような無責任さを持ち合わせていなかった。そうして何度か引きとめられた末に、辞めていった。

自分は阿呆なので、研修期間を終え、正社員として働き続けることを選んだ。

俺みたいな最底辺の糞虫が、このご時世、正社員様という特権階級として働ける、めったに無い機会だ、ありがてぇありがてぇ、振り返れば俺の人生、生ぬるく黒い泥の中を、面前に人参ぶら下げられてもがく駄馬のようなもんだったよ、ついに俺の人生にも、ぽんとご来光様がのぼり上げ潮調子になっていくんじゃねーの。否それは黒い太陽。
ブラック社員さん。

愛媛の本田さん

 

四国遍路をしている最中泊めていただいた愛媛の本田さんから、お米を頂きました。

ありがたい。

こちらは千葉なので落花生のお菓子と陰鬱な絵を添えて送っています。

 

そんなことより、いつの間にか31歳になってしまった。

なんか、こう、24くらいの時に、昼下がりの電車に揺られて、小気味良い1/fのゆらぎに誘われ、眠りに落ちて、「はっ!」っと気がついて顔を上げると、夜の帳は落ちて高濃度のストレスをスーツの裾から袖から放出させているサラリーマンにまみれた車内になっていて、自分も31歳になっていた様な具合!わかるかねこのきもち!
あ、なんかこうしてよくよく考えたら、31って結構高齢だな……。20歳や30歳のときも特になんとも思わなかったし。いままで自分の年齢なんてあんまり興味なかったんだけど。31ってすごいぞ。世間は大人として俺を見てしまう。困った。

俺は働き始めた時、「30歳になったら全部仕事やめる。おもしろいことだけして生きていきたい。例えば、写真撮って歩いたり、図書館に通ったり、海まで自転車漕いだり、そういうお金のかからないようなこと。そんでのんびり死ぬ。」とか思っていたのに、確かに決めていたのに、なんだこれは!まだ俺は働くのか!そんな好きか仕事!

まだ人生を楽しめる余地はあるかい。

転職先が決まりました。

今の会社につきながら職を探して一年。
現在は斜陽産業の最先端であるところのDTP業務を生業としているのですが、もういよいよ、後2〜3年って所で全員路頭に迷うであろう、という状況になっており、身のふりを考えなければいけない局面に立たされておりました。
もうDTPやりたくないのでweb関係の職を求めてさまよっておりました。web制作もとっくに価格競争の時代なんですけれどね。
それでもwebで活躍している人たちが楽しそうに見えて、仕事にしたかったのです。

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月蝕

明日はインターネット業者の人が部屋に上がるので、混沌とした部屋を多少なりとも綺麗にすべくゴミ出しをしていた所、道行く人達が月を眺めていた。
ニュースをさっぱりみないので、全然知らなかったのだけれど、今日は月食らしい。
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デ教

冬は基本的に引きこもり。
なぜなら寒くて海に入ることができないから。

デッサン教室の話です。
仕事以外で話すことといったら、隔週2時間行われるデッサン教室の話しかないのです。
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荒井浜海水浴場その一

前回までの粗筋。
完全なワーキングプワーであるところの与太郎と熊は海に潜ってお魚を眺めることだけを心のよりどころとして生活をしていたのだが、あれほど待ち望んでいた海に今年に入ってまだ一度しか行っていないという事実に仰天し、吐瀉り、祈り、踊り、暮らしていた。紅の混じる吐寫物をまき散らしながら。南無。
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東京景色

どういうことだろう。

真夏が涼しい。
秋の気配がユルユルと。

朝九時から深夜まで室内にいるため、あんまり季節を感じることはないんだけどね。
一年待ち続けた海、7月だというのにまだ一回しかいけてないのが悲しいな。
去年は、いろいろごっつい、心が痛ましいような旅行だったけど、そこに至るまではなかなかアクティブでしたな。
今年は、疲れきっちゃって、計画立てるのが億劫で。
誘われたら、行くの方針でいきる夏にしました。
力を抜いて、万境に従い転がり流されて行く人生。
なので、どんどん誘ってください。
誘われたらとりあえずはしっぽを振ってついて行きます。
そして思い出をブログにしたためて、なんとなく何か残した気になるのも大事なことの一つだと思うの。

思い出はいつも、夏。
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汚染海岸


日本沈没。日本御破算。
失業者がさまよい、若者たちは結婚も出来ず、車も持てず、年金制度も崩壊確実、鉛色の未来が広がる空に、アングリーヤングマンになれないハングリーヤングマンであるところのロスジェネ世代は酸欠した金魚のようにパクパクとあえぐのみ。
高校の仲間と久しぶりに集まったら、30新卒完全無職、8年バイト、真綿で絞められるように負けていく会社員。

「ママ、あの人達、エクトプラズムが出てるよ」
「太郎、あれは硫化水素ガスよ」

そうした不安がちっぽけになるような大地震と、末代まで残る原発事故。
毎秒汚染され続ける水、土、大気と人の心。
どうにも、暗い書きだしばかりだ。
だってしょうがないじゃない。
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電波オデッセイ

大好きな漫画を紹介するよ。

「電波オデッセイ」

連載当時高校生でして、コミックビームに大変な影響を受けました。
ちょっと変わったマンガが沢山載っていて、新しい世界を見ることが出来ました。
毎号本当に楽しみに読んでいました。
桜玉吉、木崎ひろすけ、安井誠太郎…独特な漫画家の乗っている、奇妙な雑誌でしたね。
かつて誌面において奥村編集と金田編集長が全身タイツで『コンビになんかにゃ売ってない!』と歌っていたけれど、現在はコンビニにもコミックスが並ぶ位ヒットしている作品もあり、映画化されたり、出版不況の中、すごいなーっておもいます。
今は、奥村編集長ですが、創刊当時の金ちゃん編集長時代は、絵が不安定で、そしてどこか皆、儚げな作品が多かったように思います。

そのコミックビームで連載されていた電波オデッセイなんですが、思春期病の時代を送る少年少女がもじょもじょ悩む物語です。
青春小説です。
学業や友情や恋だとか、そういうまっとうなレベルで悩めないような人達の青春小説です。
作者特有のギャグを織り交ぜつつ、見え隠れする、重い悩み。
幼い時分に為す術無く受け続けた傷が、何年経っても癒えず、イマジナリーフレンドとなって今の自分を強烈に責め立てるのです。

両親に見捨てられ、引きこもり、諦め、死ばかりを願う日々の中学二年の少女「原」は、ある日もう一つの肯定的なイマジナリーフレンド「オデッセイ」に出会います。
「君はこの世界を巡るパッセンジャーなんだ」
「生きるのを諦めるのかい」
「君の旅はそれだけで満足なのかい」
「あちらに持って行けるお土産は、ここで経験した心だけだよ」

オデッセイと話した原は、人が変わったように活動的になり、学校へ通い、お土産作りに精を出す事になる。

と言ったところが始まりのお話です。
まー、そんなに語らないよ。もったいない。

この作品、ビームの体力もなかったこともあり、単行本化されてはいましたが、4巻なんか部数が少なくてプレミア付いちゃうくらいだったんですね。
知る人ぞ知る様なマンガとして埋もれていくのは本当に残念だった。
もっともっと、苦しんでいる子供達に読んでほしいと思っていた。
しかし、いい作品という物は、必ずよみがえるのです!
リクエストしていた復刊.comより全三巻として無事復刊しました。
めでたい。

巻末には登場人物が30歳になったときの物語がおまけでついていて、嬉しいです。
自分も30歳なので、ニヤニヤしますな。

復刊インタビュー
コミックナタリー – [Power Push] 永野のりこ